映画「ロミオとジュリエット」新旧作品比較!オリビア・ハッセー?ディカプリオ?

Romeo and Juliet

「おお、ロミオ。あなたはどうしてロミオなの?」というセリフ、あなたも一度は聞いたことがあるでしょう。

シェイクスピアの傑作「ロミオとジュリエット」、きっと知らない人はいないだろう有名な作品です。

でも、意外と「物語の内容はよく知らない」・「なんとなくしか覚えてない」という方も多いのではないでしょうか?

そんな時、パパっと気軽に楽しめるのが映画のいいところ!

今回はもっとも有名な、1968年と1996年の二つの「ロミオとジュリエット」についてご紹介していきます!


ロミオとジュリエットとは?

おそらく16世紀頃に執筆されたとされる、ウィリアム・シェイクスピア原作の戯曲。

戯曲(ぎきょく)は、演劇の上演のために執筆された脚本や、上演台本のかたちで執筆された文学作品。戯曲を書く者のことを劇作家と呼ぶ。

引用元:ウィキペディア(Wikipedia)

映画はもちろん、ミュージカル・オペラ・バレエなど、様々な芸術作品の演目として愛されてきました。

新旧ともに脚本に違いはありますが、おおまかなストーリーは同じなので、シェイクスピア原作のあらすじのみご紹介しますね。

あらすじはネタバレを含みます!

あらすじ
舞台は14世紀のイタリア、ヴェローナ。お互いに敵対するモンタギュー家とキャピュレット家は争いごとの絶えない日々を過ごしていた。
モンタギュー家の一人息子であるロミオは、ロザラインという女性に片思いをしていた。そんなある日、ロザラインが来るというキャピュレット家のパーティーに友人達と忍び込む。
そこで出会ったのはキャピュレット家の一人娘ジュリエットだった。二人はたちまち恋に落ち、ロレンス神父の元で密かに結婚する。
しかしその直後、ロミオの親友マキューシオが、ジュリエットの従兄ティボルトによって殺害される。逆上したロミオはティボルトを殺し、ヴェローナから追放されることに。
悲しむジュリエットのもとには、貴族パリスとの縁談の話が持ち上がっていた。ロレンスに助けを求めたジュリエットは、「仮死の毒」を渡される。仮死状態のジュリエットを密かにロミオが迎えに来るという計画だった。
しかし、ロミオとうまく連絡が取れず、ジュリエットが死んだと勘違いしたロミオは毒薬を飲んで自殺。仮死状態から目覚めたジュリエットは、ロミオの遺体の側で短剣を使い後追い自殺をする。
全てを知った敵対する両家は、ここで初めて和解することになった。

映画化6回の「ロミオとジュリエット」

今回取り上げる1968年、そして1996年公開の「ロミオとジュリエット」の他にも、4作品上映されていることをご存知ですか?

初めての映画化は1936年のアメリカ映画。ノーマ・シアラーという1920年から1942年まで活躍した女優さんがジュリエット役。そして、ロミオ役はレスリー・ハワード。

名作「風と共に去りぬ」で、スカーレット・オハラが想いを寄せ続けるアシュレー役を演じた俳優さんです!

1954年には初めてのカラー映画として公開され、1964年にはイタリア映画として、そして一番最近では2013年、歌手で女優のヘイリー・スタインフェルド主演で公開されました。

しかし、もっとも有名なのはやはり!今回取り上げる2作品です!

それでは、新旧「ロミオとジュリエット」、作品の魅力から残念なポイントまで徹底比較してみましょう!

旧ロミオとジュリエット

1968年 ロミオとジュリエット

まずは1968年公開のイギリスとイタリアの合作映画「ロミオとジュリエット」から。

ストーリーはシェイクスピアの原作にかなり忠実に作られていると思います。

芸術的ともいえる豪華な衣装、美術、そしてジュリエット役を演じたオリビア・ハッセーの美しさは、今なお輝き続ける名作です!

ロミオとジュリエット - Trailer

キャスト・スタッフ

ジュリエット(オリヴィア・ハッセー)

オリヴィア・ハッセー

この作品でアイドル的な人気を誇ったオリビア・ハッセー。オリビア演じるジュリエットが、私達がイメージするジュリエットの形を作り上げたといっても過言ではありません。

ちなみに、元夫は布施明さんです!

ロミオ(レナード・ホワイティング)
レナード・ホワイティング
オリビアとは対照的に、この作品以降、映画には恵まれませんでした。

監督はイタリア出身のフランコ・ゼフィレッリ。監督としてだけでなく、脚本家、演出家、そして政治家としても活躍しています。現在御年96才!

フランコ・ゼフィレッリ監督は、この「ロミオとジュリエット」で、アカデミー監督賞・ゴールデングローブ賞・監督賞英国アカデミー賞監督賞など多くの賞にノミネートされました。

古典的「悲しい恋の物語」

前述した通り、こちらのストーリーは多少省略したりはしていますが、原作にとても近い形で制作されています。

時代背景の演出はもちろん、ロミオとジュリエットの年齢までも、演じる俳優とほぼ同じです。

古典的な物語を、古臭く感じさせない豪華さで、退屈させない適度なスピード感で、うまく描いている作品だと思います。

長所

  • 美術・衣装の豪華さは圧倒的!
  • 豪華な衣装に引け目を取らない役者の美しさ!

美術・衣装の豪華さは圧倒的!

この作品を観ると、まるで美術館か、はたまた博物館にでも来てしまったかのような感覚に陥ります。

重厚な石造りのお屋敷、ワイン(というかもう「葡萄酒」って呼びたくなる)の注がれたグラス、決闘のシーンで使われる剣、どれをとっても本当に14世紀から持ってきたかのようなものばかりです。

そして最も目を引くのがジュリエットの衣装!

オリヴィア・ハッセー

赤いドレスはなんと、約8キロあったそう!しかも、中にはきちんとコルセットを着用する徹底ぶり。

出演者の衣装は基本的に8キロ以上の重量があったそうで、しかも撮影が行われたのは真夏のイタリア。

作品冒頭、ヴェローナ公がちょっとゼエゼエ言いながら、汗だくで馬に乗ってやってくるシーンなんかは、「暑かったんだろうな~」・「喉かわいてるんだろうな~」なんて思ってしまます。

豪華な衣装に引け目を取らない役者の美しさ!

この映画を語る時、パッと思い浮かぶのはやはりジュリエット役を演じたオリビア・ハッセーの美しさ。

オリヴィア・ハッセー

ジュリエットの象徴ともいえる、あの真っ赤できらびやかなドレスを堂々と着こなし、有名なバルコニーのシーンではこぼれんばかりのバストを見せ、当時15才という若さで美しいジュエリーに飾られるオリビアはまさにジュリエット。

キャピュレット家のパーティーシーンでの出演者の衣装はすべて溜め息ものです。

短所

  • 芸術的すぎてエンターテイメント性が低い?
  • 決闘のシーンは女子にはつまらない?

芸術的すぎてエンターテイメント性が低い?

贅沢で豪華な衣装にリアリティーのある舞台は、観ていて本当に14世紀にタイムスリップしたかのようです。

しかしその反面、観続けていくうちに、その豪華さに慣れて感動しにくくなります。ついでにストーリーも原作に忠実なので、古典的すぎて退屈さを感じる方もいるかもしれません。

物語が重厚であることがこの作品のメリットでもあり、また重厚であるからこそ重すぎて胃もたれを起こしそうになり、若干の窮屈さ、堅苦しさを感じるのも事実。

決闘のシーンは女子にはつまらない?

こちらの作品、結構時間を取っているのが「決闘のシーン」。もちろん銃なんてありませんので、フェンシングよろしく剣でヤイヤイやります。

しかもこれが案外リアルで、マキューシオが殺されるシーンはこちらまで痛くなるような出来栄えです。

恋愛映画を観にきた女子には、「早送り」したくなる場面かもしれません。

新ロミオとジュリエット

1996年 ロミオとジュリエット

さて、続いては1996年にアメリカで制作された「ロミオ+ジュリエット」をご紹介します。

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、題名が「ロミオとジュリエット」ではなく、「ロミオ+ジュリエット」なんです。

なんで題名が「+」なのかは、恐らく、脚本にかなり手を入れたからでしょう。原作に忠実なのはセリフくらいで、あとは完全に新しい、「ロミジュリ」と呼びたくなる作品です。

ロミオ&ジュリエット - 予告編

キャスト・スタッフ

ロミオ(レオナルド・ディカプリオ)
レオナルド・ディカプリオ
ロミオ役はレオ様です。この時のディカプリオは、じわじわと人気が出てきているころ…。この翌年にあの名作「タイタニック」に出演します。

ジュリエット(クレア・デインズ)
クレア・デインズ
ジュリエット役は、エミー賞3回、ゴールデングローブ賞を4回も受賞した実力派女優クレア・デインズ!

監督・脚本をつとめたのは「ムーラン・ルージュ」・「華麗なるギャッツビー」で知られるバズ・ラーマン。

「ロミオ+ジュリエット」で英国アカデミー賞では、監督賞・脚色賞を受賞しました。

現代的「青春と恋の物語」

原作とはかなりかけ離れた、まるで新しいロミオとジュリエットの物語となった本作。

モンタギュー家とキャピュレット家は名家どころかマフィアだったり、親友マキューシオは黒人だったり、プリンス署長(1968年版「ロミオとジュリエット」ではヴェローナ公にあたる役柄)は馬じゃなくヘリコプターに乗って登場したり…。

目まぐるしく展開するストーリーは、シェイクスピアの悲恋の物語をベースにした青春劇と呼べそうです。

長所

  • エンターテイメントとしては優秀!
  • 配役・脚本の変更が良い方向に行った!

エンターテイメントとしては優秀!

1968年作品の短所を全て修正したかのような、エンターテイメント色の強い本作。

バズ・ラーマン監督らしい、酔っぱらうようなカメラワーク、カラフルだけどポップではない毒々しいような(褒めてます!)色使い、演出はさすがです。

オープンカーを乗り回し、オシャレな銃でドンパチ、ジュリエットの部屋は可愛らしく、現代のポップミュージックがガンガンかかる。まさに若者が「カッコイイ!」と言っちゃうような、完全に「若者ウケ」を狙ったとしか思えませんが、だがそこが良かった!

1996年 ロミオとジュリエット

観ていてこんなにも楽しい「悲しい恋の物語」は他にないのでは?と思います。

配役・脚本の変更が良い方向に行った!

原作の設定を大幅に変更したことで失敗する作品もありますが、こちらは成功作!

1968年の作品でオリビアが脚光をあびたように、ロミオ役のディカプリオに観客の目が行くのは監督も分かっていたことでしょう。そこにクレアという「真面目でほどほどな美人」をジュリエット役にあてがったのは、完全に当たりだったと思います。

1996年 ロミオとジュリエット

ここでディカプリオをしのぐ、もしくは対等の「完璧な美女」をあてがうと、ディカプリオでセールスできなくなっちゃいますからね。

また、ちょっとした脚本の変更も私は実に良かったと思います。

特にラストシーン、ジュリエットが目を覚ます寸前で毒薬を飲むロミオの演出は、「そりゃそっちがいいよ!」と言いたくなります。

原作・1968年の作品ではジュリエットが仮死状態から目を覚ますころには、すでにロミオは息絶えています。

短所

  • つじつまが合わない?
  • 比較するとどうしても負ける?

つじつまが合わない?

脚本の変更が成功したと書きましたが、良い脚本に変更したからこそ、つじつまが合わないというか、不自然な部分が生まれてしまったのはとても残念。

例えば、ロレンス神父がロミオに手紙を送るシーン。「ん?電話は?ないの?」なんて思っちゃいますし、そもそも現代のマフィアの家柄なのですから、「ロミオを追いかけて駆け落ちでもなんでもすれば…」なんて、夢のないことを思ってしまいます。

でも、考えてみれば、みんなが毒々しいカラーを着こなすパーティーの中で、ジュリエットは真っ白のドレスを着ており、結婚式の衣装もすこぶる地味。更にキャピュレット家は、父は乱暴・母は父の言いなり…と若干家庭環境の悪さを感じます。また、ジュリエットの部屋は人形がひしめき合っていて実に子どもっぽい。

1996年 ロミオとジュリエット

そういうことまで考えると、ジュリエットは「自分に自信がなく、親に逆らえない」いわゆる「親に見捨てられることを異常に怖がる」娘なのかもしれません。

つじつまが合わない部分も多いですが、その辺りはもう色々勘ぐってごまかすしかなさそうです。

どうしてもごまかしきれないのが、「現代なのになんでその喋り方なの?」という部分だけ…。

比較するとどうしても負ける?

こちらの作品は、1968年の「ロミオとジュリエット」とどうしても比較されます。

そして「負けている」と評されることがほとんど。

衣装、美術、配役、たしかにどれをとっても旧作には見劣りします。

しかし、私は「そもそも比較するべきものではないのでは?」と思います。

ベースが同じシェイクスピアの作品なだけで、脚本も設定も時代もかなり変更したのが「ロミオ+ジュリエット」なのですから、同じ土俵で勝負させること自体、違うのでは…?と思ってしまいます。

あなたはどちら?

二つの同じようで全く違う「ロミオとジュリエット」

あなたはどちらの作品が好きですか?

見比べるもよし、衣装にうっとりするもよし、エンターテイメントを楽しむもよし…。楽しみ方次第でもっとおもしろくなる二つの「ロミオとジュリエット」、ぜひ、観てみて下さいね。

にほんブログ村 芸能ブログへ